今回は良く質問を受けるカッティングシートの剥がし方について説明します。 みなさん剥がし方にも、何かコツみたいな物があって、プロなら簡単に出来ると 思っているようですが、そんな事はありません。
カッティングシートは基本的にシールやテープと同じで、剥がし方もそれら と同じように剥がします。 爪などでコリコリして、少し剥がれた部分を摘んで剥がしていきます。
ただ、 カッティングシートは屋外で何年も剥がれないようになっていますので、小 さい普通のシールのようにはいきません。地道に少しづつ剥がしていく 事が基本です。その事を踏まえて実施してください。
とは言っても、仕事でやる以上、色々工夫はします。
何度も施工しています ので、その経験からどのようにしているのかお話ししたいと思います。
良くドライヤーで温めながら剥がすとか、熱湯をかけるなど聞いた事はないで しょうか?長期間貼ってあって、古くなったカッティングシートは、弾力が無 くなり、すぐちぎれてしまって、なかなか剥がしが進みません。そんな時に温 めるのは有効な手段ですが、剥がす場所や条件によって、一般の方は、それらを 使えない事が多いと思います。
陽が当たる場所では日光がしばらく当たっていると、比較的剥がし 易くなります。しかし、条件が合わず、電源の兼ね合いで、ドライヤーが使えな い場合は、やはり地道な作業になります。
まず、このような剥がし用の工具で、少し摘めるようなキッカケを作ります。
これは愛用の道具で常にポケットに入れてあります。
丁寧に扱えばステンレス にも傷を付ける事なく擦れます。地道な作業ではこれのみで行います。
剥がす範囲が大きく、下地を傷めても良い場合はこのような道具を使います。
先端にカッターの刃を装着して使います。この形が良く、力が伝わり、上手く 剥がせます。カッティングシートがあまりにも古く、カッサカサに乾いてめ くれ上がっているような状況ではかなり有効です。
使える条件は限られますが、最終手段としてこのような剥離剤を使用します。
これは、カッティングシートを溶かしてフニャフニャにしてくれるので、いつ も使いたいのですが、強力すぎるので、プラスチック系の素材が下地や周りに ある場合や、塗装なども溶かして傷めてしまうので、必ず使える訳で はありません。
カッティングシートが多く貼ってあるガラス面や、カッティング文字がステンレスHLなどに貼ってある時 が使うチャンスです。ただ、ガラス面も周りのゴムパッキンを溶かしてしまう ので周りにかからないよう、ご注意ください。また、軍手や保護眼鏡などは必需品になる劇薬である事 に十分ご留意ください。
剥がした後は、糊が残りますので、シンナー、ベンジンや、このアルコールと ウエスや先の愛用剥がし用工具を使って糊を綺麗に取ります。
このように色々な道具を使い、条件など良く考慮して剥がし作業は行います。